選手がレンタル移籍で受ける恩恵とチームからの期待

選手の背中

プロサッカーとプロ野球の仕組みはかなり違いますが、その中でも「選手をレンタルする」というのはサッカー界独特のシステムといえるでしょう。

所属しているチームは「A」であっても、レンタル移籍を通じて「B」チームでプレーするということが起こるのです。選手の中には、いつまでも所属チームに戻れず、いろいろなチームにレンタルされ続けているという人もいます。ただ、本来の所属チームでは実力不足で出場できないものの、下部リーグなら十分活躍できるという選手はレンタルシステムでかなり恩恵を受けられるといっていいでしょう。
プロ野球選手のように、ずっと二軍で試合に出られないまま、引退といったことがないからです。

また、レンタルには若手を育てるという目的もあります。その代表例がレアル・マドリードに所属し、マジョルカにレンタルされている久保建英です。久保はまだ十代で経験が少なく、すぐにレアルでレギュラーになれる実力はありません。しかし、だからといってレアルに所属させたままだと、選手として試合に出られない期間が続き、実力が伸びないでしょう。そのため、試合に出やすいマジョルカにレンタルし、十分経験を積んでから呼び戻そうとしているわけです。あくまでもマジョルカに貸しているだけなので、仮に久保がマジョルカでものすごい活躍をしたとしても「返してほしい」と要望すればすんなり返してもらえます。それもレンタルの利点です。